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ある晴れた日の昼下がり、家で寛ぐのにも飽きてきた俺は 何か暇つぶしの方法は無いかと、頭の中で模索していた。 そして、数分の内に一つの案が浮かんだ。 『タブンネで遊ぼう』 俺は早速、準備に取り掛かった。 螺子にナイフ、傷薬、そして相棒のヨーテリーを連れて ヤグルマの森へと向かった。 この時、午後2時を回った頃だった…… ヤグルマの森に着いた俺は、早速タブンネを探し始める。 すると、地面に見覚えのあるハート型の足跡を発見した。 間違いない。これは、タブンネの足跡だ。それも1匹ではなく、複数の 足跡が残っている。3匹……いや、4匹か。 俺はヨーテリーをボールから出して、臭いを嗅がせながら足跡を追跡した。 先頭を歩いていたヨーテリーがピタリと歩みを止めた。 そして、クルリと俺の方を見やって「キャン!」と鳴いた。 『ここに居るよ』と伝えているようだ。 俺は目の前の大きな茂みを掻き分けて中を覗く。森の茂みの中にポッカリと 広い空間が在った。中央には木の実の成った大木。 その下に成体のメスタブンネと子タブンネ、赤ちゃんタブンネの3匹が 座りながら木の実を食べていた。 さあ、暇つぶしを始めようか。 俺はヨーテリーと共に茂みの中へ歩を進めた…… 俺が茂みの中の広場に入ると、母タブンネがびくりとして振り向いた。 常に人間に狙われているタブンネには、俺達人間は要注意すべき対象なの だろう。 その証拠に母タブンネは、警戒の眼差しで俺を見ている。 しかし、生まれて日も浅い赤ちゃんタブンネや、人間を見たことが無い子 タブンネは、「なぁに?」と不思議そうな眼で俺を見る。 「ミィ……」 母タブンネが子供二匹を自分の背後へ隠し、庇う姿勢をとった。 花畑思考のタブンネにここまで警戒されるとは思っていなかったな。コイツは 昔、虐待にでもあっていたのだろうか。 俺がジリジリと距離を詰めると、子供二匹が「ミィミ?」「チッチィ?」と鳴いた。 「これ誰?」とでも言っているのだろうか? 「危ないから隠れてなさい!」とでも言わんばかりに、母タブンネは子タブンネ達を グイグイと背中へ隠す。そして注意は俺「のみ」に向けられている。 そう、つまり…… 「今だ!ヨーテリー!」 後ろががら空きだ。 「ヨーテリー、ガキ2匹を掻っ攫え!」 背後の草むらから飛び出したヨーテリーが赤ちゃんタブンネと子タブンネの 尻尾を咥え、そのまま母タブンネの頭上を一足飛びで飛び越え、俺の隣に着地した。 「よくやったぞ、ヨーテリー」 赤ちゃんタブンネを掴みつつ俺が褒めると、ヨーテリーは「キャン♪」と得意気に 鳴いた。本当に可愛い奴だ。 一瞬で子供達を奪われ呆然としていた母タブンネがこちらに向けて瞳を潤ませながら 両の手を合わせ「ミィーン!ミィーン!」と鳴いている。 「子供達を返して下さい!お願いします!」ってとこだろうな。 もちろん、返す訳はないんだけどさ。 俺に掴まれている赤ちゃんも、ヨーテリーに踏まれている子タブンネも、母親に向けて 「ママ!こわいよう!たちゅけてぇ!」と言わんばかりにミィミィ、チィチィ泣いている。 俺が無視して踵を返すと、ドタドタと走ってきて俺のズボンの裾をグイっと掴んだ。 それが開幕の合図になった。 「糞豚の分際で人間に逆らうんじゃねぇ!」 俺は、そう叫ぶと振り向き様に母タブンネの顔面に蹴りを入れた。 「ミギィッ!」短い悲鳴をあげ後頭部から地面に倒れ込む母タブンネ。 俺は、そのまま母タブンネの胸を、腹を、下腹部を渾身の力を込めて踏み抜いた。 「お前らは人間に玩具として扱って貰う為に存在してるんだ!お前らの身体も命も人間の所有物! お前らに選択肢なんて何一つ有りゃあしねぇんだ!」 怒鳴りながら母タブンネの身体を踏みつける。その度に母タブンネの呻き声があがる。 そしてゴキリ、と何かが折れるような音がした。 「ミビイィィヤアァァ!」 母タブンネが下腹部を押さえて悲鳴をあげた。 よく見ると母タブンネの股から夥しい血が流れている。踏み付けで折れた骨が 膀胱や子宮にでも刺さったか。 まあ、大した問題じゃない。むしろ、これで母タブンネは立ち上がる事すら困難に成った。 これは、俺としては好都合だ。 傷付き悲鳴をあげる母を見て泣きじゃくっている赤ちゃんタブンネを母タブンネの眼前に突きつけた。 「さて、ここからが本番だ。お前らの命が人間の所有物であるってのは、さっき言ったよな? そこで今から、お前とお前のガキ二匹で遊ばせて貰う」 俺は低い声で言い放つと、家から持ってきたナイフを取り出し、赤ちゃんタブンネの耳に 突きつけた。 「チイィ!」 赤ちゃんタブンネはイヤイヤと首を振り、つぶらな瞳からポロポロと涙を 零して、母親に助けを求めている。 俺は、母タブンネと赤ちゃんタブンネを交互に一瞥すると、一気に赤ちゃんタブンネの片耳を 触覚ごとザクリと切り裂いた。 「チギイイイィィィッ!?」 森の中に赤ちゃんタブンネの絶叫が響き渡る。 耳の有った箇所からは血とリンパ液が噴き出ている。 瞳から涙を溢れさせながらも必死に身体を捩って俺の手から抜け出そうとする。 「チチィ…チュッチィ……!」 すすり泣くような細い声で鳴きながら、「いたいよぅ、たちゅけてよぅ」と母タブンネの方に手を伸ばす。 どう足掻いても届くわけは無いのになぁ。 そういえば、五月蝿い母と赤ちゃんとはうって変わって静かな子タブンネは どうなってんだ?と思い、目を向けてみると、うつ伏せになったままヨーテリーに踏みつけられたり、 引っ掻かれたり、咬み付かれたりと正しく「玩具」のように遊ばれていた。 ……アイツ、S犬だな。 「ミヤアアァァァ!!!ミィ!ミィミ!!」 滝のように涙を流しながら、母タブンネが必死に懇願する。 しかし、聞きはしない。俺は、ナイフをクルクル回すと、残った片耳も 同じように切り落とした。 赤ちゃんは、余りの激痛とショックにカクリと気を失った。 その様を母タブンネの目の前に持っていって見せ付ける。 耳を失った我が子を大粒の涙を流しながら見つめる。そして、両手を伸ばし 顔を撫で様としたところで、サッと取り上げる。 撫でようとした両手は空を切り、そのままバランスを崩して顔から地面に倒れた。 折れた骨が内部に刺さって、身を起こすことすら出来ない。取り上げられた子を 奪還することすら出来ないのだ。 親として、これほど悔しい事は無いだろう。 「さて、お前の子は耳を失ってしまったわけだが……これで終わりだなんて思っちゃ いないよな?」 そう言って俺はナイフを気絶している赤ちゃんタブンネの腕に当てた。血に濡れた刃に 木漏れ日が当たって赤く光った。 母タブンネは、バッと顔を上げ、上半身だけを何とか起こして俺の足元に、はたく攻撃を しようとした。 しかし、全身に走る激痛の中で放つ攻撃にどれ程の威力と精度が出ようか。攻撃が当たる前に 俺の爪先が母タブンネの眉間に刺さった。 転がっていく母タブンネを見下しながら、赤ちゃんタブンネの腕を切断する。 シュウゥゥ!と血が噴き上がり、激痛に目を覚ました赤ちゃんタブンネは「キィヤアァァアアアア!!」 と耳障りな悲鳴を上げる。 「ほらほら!ママがしっかりしないから赤ちゃんは、おててまで失くしちゃったよ?片方だけじゃ バランス悪いから、もう片方も落としとこうか」 ザシュッと残った片腕も切り落とす。 もう赤ちゃんの周りは血溜まりだらけだ。流石にメインイベントの前に出血多量で死なれても困るので 傷薬を使って、出血だけは止めてやる。 「フィィ……チピィ……」 赤ちゃんは、泣きながら母親に助けを求め、無い手を必死に伸ばすような仕草で 母親の方に身体を乗り出している。 「ミィ……!ミミミ……ムゥアアアアァァ……!」 母タブンネの悔恨の慟哭。これは、そろそろ仕上げで良いだろう。 俺は、耳と手を失くした赤ちゃんタブンネをゆっくりと地面へ降ろした。 「チイィ……?」 許してくれるの?と言うような眼差しで俺を見る赤ちゃんタブンネ。 そのまま、おぼつかない足取りで歩き出す。 母親の温もりを求めて、よちよちと懸命に歩いていく。 倒れたきりの母タブンネは泣きながら這いずって赤ちゃんの方へ進む。 「チイッ!?」 赤ちゃんタブンネが蹴躓いて顔面から転ぶ。涙と鼻血を垂らしながら起き上がろうとするが手が無いのでは起き上がれない。 プルプル震えながら残った足だけでズリズリと芋虫の様に母タブンネの元へ這って行く。 母親といい、子といい、どっちも虫けらみたいでお似合いじゃないか。 タブンネという種族の真髄を体現しているかのようだ。 必死で這いずってようやく母タブンネの手が赤ちゃんに届くところまできた。 「よく頑張ったね」というような涙に濡れた微笑で赤ちゃんを引き寄せようとする。 ここだ!俺は持っていたナイフを赤ちゃん目掛けて投げつけた。 ズコッ! 「チィ…ッ」 投げつけたナイフは、赤ちゃんタブンネの後頭部に刺さり、そのまま顔面へ突き抜けた。 赤ちゃんタブンネの片目からナイフの先端が突き出ている。 赤ちゃんタブンネは、そのまま糸が切れた人形のようにバタリと突っ伏して息絶えた。 目の前の母タブンネの顔には、赤ちゃんの血と脳漿が飛び散っていた。 「ミィ…ミィ…ウビヤアアアアァァァァ!!!!!!」 母タブンネは、今日何度目かの絶叫を上げた。 自分の手の届く寸でのところで赤ちゃんを守れなかった。 痛みに苦しむ我が子を抱き寄せてやることすら出来なかった。 これから、すくすくと大きくなり、幸せな生涯を送る筈だった赤ちゃんタブンネ。 その赤ちゃんタブンネが耳を削がれ、両手を捥がれ、挙句、自分のすぐ眼前で死んでしまった。 母タブンネは両手をバンバンと地面に打ちつけて泣き叫んだ。 そして、俺の方をキッと睨み付けると「ウミイィィィッ!」と声を荒げて突進(但し這い這い)しようとした。 しかし、それは不意に自身の顔の側面に走る衝撃によって未遂に終わった。 母タブンネが、俺に攻撃しようとするのを見て、ヨーテリーが体当たりしたのだ。 攻撃に秀でるヨーテリーのタイプ一致体当たりを食らった母タブンネは、そのままゴロゴロと転がって動かなくなった。 まさか、死んだのか?そう思ったが、どうやら生きているらしい。打ちひしがれているのだ。自分の無力さに。 まだ「ウゥゥー…」と唸っているヨーテリーを鎮めると、俺は母タブンネの前まで行きワザとらしく言った。 「お前、これだけ無残な思いをしても、まだ自分の立場が解らないんだ?仕方ないな、もう一人の子供にも罪を償ってもらうか」 すると、母タブンネはビクッとして顔を起こし「ミィ~ン…ミッミィ~ン……」と媚び始めた。 「お願い、あの子は見逃してあげて。変わりに私が死ぬから」というところか。 どちらにしても、あの子タブンネも死ぬんだよ。 俺は、媚びる母タブンネに唾を吐きかけると気を失っている子タブンネに近づいた。 懺悔第二章の始まりだ。 媚びる母タブンネをよそに気絶している子タブンネを蹴り起こす。 「ミッヒ!?」 ゴロゴロ転がりながら耳を押さえて震えている。 よし、先ずは先刻の赤ちゃんと同じように、その耳から千切っちゃおうか。 俺は、子タブンネの顔面を脚で押さえつけると、方耳を掴み一気に引きちぎった。 ブチブチィッ!血とリンパ液が噴き上がり、子タブンネの耳は引き裂かれた。 「ミギャアアアアァァァッ!!!」 激痛に子タブンネが悲鳴を上げる。まだ片方残っているのにな。 「序でにもう片方、っと」 ブヂリ!子タブンネの頭は見事な蛸頭となった。 子タブンネはまたも泡を吐き、ビクビクと痙攣しながら気を失った。 「ミ…ミ…ミヒャアアアアアアアアアアアアアァァァァッ!!!」 続け様に我が子を傷つけられ、母タブンネが絶叫を上げる。 中々、いい感じだ。しかし、もっと絶望してもらわなければいけない。 俺は、ヨーテリーに子タブンネの尻尾を食い千切る様に指示を出す。 ヨーテリーは気絶している子タブンネの尻尾の根元を咥えると、牙を食い込ませ、そのまま首を振り上げて放り投げた。 ブツッ!子タブンネの尻尾は根元から綺麗に切断された。 ヨーテリーは尻尾をペッと吐き捨てると、宙を舞っている子タブンネの落下に合わせて腹に体当たりを食らわせる。 「ミブェッ……!」 内臓まで響く衝撃に、子タブンネの口からはドロリと血が吐き出される。 そのままドサリと地面に叩きつけられる子タブンネ。 「ヒィ……ミッ…フィィ……」 掠れた様な声で細く呼吸する子タブンネ。肺でもやられたかな。 じゃあ、死ぬ前に仕上げるとするか。 俺は、倒れた子タブンネの顔面につま先で蹴りを入れる。 蹴りは呼吸する口の中に命中し、ボキボキと歯の折れる音を立てながら、喉まで達した。 「ウブ…ミブォオエェェッ!!」 口の中にめり込んだ俺の靴に血が飛び散った。汚いが、まあいい。新しい靴を買えば済む話だ。 足を抜くと、子タブンネの口角から砕けた歯の混じった血がボトボトと流れ落ちる。 当の子タブンネは白目を剥いて意識を失っているが。 どうせ、気絶してばっかだから眼も要らないな。 「ヨーテリー、この糞豚の目玉を食い潰せ!」 ヨーテリーは「キャン!」と吼えると、子タブンネの眼球目掛けて爪を突き立てる。 食い潰せと言った筈なんだが……。流石にあんな汚物みたいな奴の眼は口に入れたくないんだろうか。 グッチョ……!漁の目を失い、もはや顔面は血まみれで、元の原型を留めていない。 後は、止めを刺すだけなのだが、母タブンネの方を見てみると、声も出す事が出来ずに絶望に顔を歪めきって、ホロホロと泣いている。 よぅし、じゃあ最高の一撃で葬ってやるとするか。 俺は、脚を高く振り上げる。 「いち…にの…さーーーーーーーーーーーーん!!!」 そして、渾身の力を込めて子タブンネの頭を踏み抜いた。 ドボオォッ!ゴキッ!ポキポキ!ブチン! 頭蓋が砕け、脳味噌が潰れ、顔面の穴という穴からニュルニュルと脳漿を垂れ流し、悲鳴も上げずに子タブンネは汚い肉塊と化した。 目の前で最愛の子供を両方失い、軽く精神崩壊状態の母タブンネ。 しかし、ここで母タブンネに止めを刺しては面白くない。 あの時、森の歩道で見つけた足跡は"4つ"だった。 だが、この場に居るのは、死んだ2匹を含めても3匹だ。 もう一匹どこかに居るはずだ。そう、この母タブンネの夫であり、死んだガキ共のもう一匹の親である、父タブンネが。 そんな事を考えていると、ヨーテリーが突然「ウゥー・・・」と唸りだした。 ヨーテリーの顔の毛は、微弱な空気の流れを感じ取り、外敵の接近を察知する。 タブンネが聴覚なら、ヨーテリーは、空気の流れに触れて感じ取る触覚な訳だ。 ヨーテリーの読みどおり、広場の奥の草むらがガサガサと揺れ始めた。 その奥から、成体のタブンネよりもガタイの良いオスのタブンネが現れた。 間違いない。コイツが父タブンネだ。 子供達や妻の悲鳴を聴いて全力で走ってきたのだろう。大分息を切らしている。 母タブンネは、夫が帰ってきた事に安堵したのか「ミヒェエエエェン……!」と泣いている。 父タブンネは、ゆっくりと辺りを見回す。 両手と寮耳を捥がれ、頭にナイフが突き立てられた赤ちゃん、同じく、耳を捥がれ、眼を潰され、脳味噌を垂れ流した第一子。 そして、全身痣と擦り傷だらけで、股から夥しい出血をした、ボロ雑巾のような妻。 一通り見回すと父タブンネは、俯いて「ミィ…」と小声で呟いた。 他のタブンネと同じように泣いて後悔するだけかと思っていたが、父タブンネは、拳を作ってワナワナと震え始めた。 そして、「ミギギギギ……!」と唸り始め、顔を上げると目つきを鋭くした。 「ミガアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァッ!!」 憤怒と殺気の籠められた怒号の雄たけびを上げる。 家族の仇として、俺達に復習する気のようだ。 ならば、こちらも迎え撃たねばなるまい。 「ヨーテリー!」 俺が呼ぶと、ヨーテリーは、父タブンネに向けて唸りだした。 「本気で遊んでやれ!」 ヨーテリーは、了解!と言わんばかりに、尻尾をピン!と立てた。 「ミィ!ミィミ!」 母タブンネは「気をつけて!」と言う様に、父タブンネに向けて声をかける。 その鳴き声が合図となり、父タブンネは、勢い良く突進を繰り出す。 しかし、所詮はタブンネの遅い突進。ヨーテリーは地を蹴りヒラリと突進を避けると父タブンネの後ろに回り、そのまま背中に体当たりを食らわせた。 「ミギッ!」 短い悲鳴を上げて地面に転げ込む。そのまま追撃でもう一発。 父タブンネは、頭から木の幹に叩きつけられた。 「ミガアッ!」 頭を樹に打ちつけ、ズルズルと倒れた、が何とか起き上がる。 「ミヒィ!」という不安げな鳴き声をあげる母タブンネを掌で制し「案ずるな」と言わんばかりにコクリと肯く。 ほう、なかなかの気骨だ。タブンネの中にも、こんな奴も居るんだな。 タブンネじゃなかったら捕まえて帰りたいくらいだ。 何とか起き上がってヨーテリーに向き直った父タブンネ。 しかし、戦闘開始から僅か数十秒で満身創痍となり、もはや戦える状態ではない。 「ミ……ミイイイィィッ!!」 それでも妻を守る為とボロボロの身体で今度は腕を大きく振りかぶる。往復ビンタか。 しかし、当然の如く当たる筈も無い。 ヨーテリーに容易く避けられた上に、足の力が抜けて転倒してしまった。 ヨーテリーは、その隙を見逃さず、父タブンネの尻尾に噛み付き、勢いよく噛み千切る。 「ミッビイイィッ!!!??」 尻尾を千切られた父タブンネは、臀部を押さえ、ゴロゴロと転げて蹲る。 「ミ……ミィ……ヒヒィ……」 最初の勢いは何処へやら、瞳を潤ませて、それでもヨーテリーを睨み付ける。 もうここらが潮時だな。 「ヨーテリー!もういい、終わらせるんだ!」 ヨーテリーは、俺の指示にコクリと頷くと、ギュンと目つきを鋭くし、四肢に力を込めた。 ヨーテリーの全身に力が充満し、周りに青白いオーラを纏い始める。 ヨーテリーの恩返しだ。主への忠誠が高ければ高い程、その威力は数十倍にも跳ね上がる。 周りの小石が闘気によって浮き上がり、木の葉はパン!パン!と音を立てて弾けている。 「ミ……ミヒッ……」 父タブンネは、ヨーテリーのあまりの気迫に震え上がっている。 まともに動けない状態で、相手が肉眼で見えるほどの闘気を放っていれば、それは恐ろしいだろう。 「ウウウゥゥゥ……!」 ヨーテリーが唸り声を立て始めた。そろそろ発動か。 この隙に逃げればいいと思うのだが、妻を見捨てては行けない父タブンネは、震えながらも、両手をグッと握り締め、構えている。 「キャオオオオオオォォォン!!!!!」 ヨーテリーが咆哮を上げる!次の瞬間、バシュッという音と、微かな青い光と共にヨーテリーの姿は消えた。 そして、一瞬にして父タブンネの身体を貫通し、土煙を上げて、停止した。 素晴しい一撃だ、ヨーテリー。 「ミ……ミ……」 身体に大きな風穴の開いた父タブンネは呻き声を上げながらガクガクと痙攣し、穴からは血と内臓と骨片を撒き散らしている。 そして、最後の力を振り絞って母タブンネの方に振り返ると、声も上げずにドサリ、とその場に崩れ落ちた。 その亡骸の周り血河と化し、表情は無念と絶望に満ちていた。 「……ミィ」 子供2匹と夫まで失った母タブンネの表情は虚ろだった。 何もかも失い、居切る気力を失くしていた。 「私も殺して、皆の居る所へ逝かせて」そう言わんばかりに、ズリズリと俺達の方へ這ってくる。 さあ、ここからがフィナーレだ。 「ヨーテリー、あのタブンネの足を噛み砕け」 指示に従ったヨーテリーは、母タブンネの両足に牙を突き立てる。 「ミギッ!」 掠れる様な悲鳴を上げる母タブンネ。しかし、それ以上は何も口に出さない。 ブルブルと震えているだけだ。 「…次は、両腕だ」 足と同じく、両腕も噛み砕く。そして、持ってきた螺子で四肢を固定する。 夥しい鮮血に塗れ、母タブンネは、その場に固定された。 俺は、母タブンネの目の前まで行き、頭の上で足を振り上げた。 「ああ、これで死ねる」母タブンネは、ゆっくり目を閉じる。だが…… 「よし、もう帰るぞヨーテリー」 「ミッ!?」 俺は、クルリと踵を返すと、母タブンネは驚きの悲鳴を上げた。 しかし、別に驚く事じゃない。俺は、拷問を始めた直後から、コイツだけは生かしておく算段だった。 家族をことごとく殺され、自身の身体も破壊され動くことすらままならなくなった。 そうすれば、自然と生きる気力もなくなり、死を望むだろう。 そこを無理矢理生かして苦しませる。 家族の亡骸を目の前に曝され、時の流れと共に腐り、風化していく様を見せ付けられる。 この上ない絶望と苦痛を与えられる。 死して家族の元へなど行かせない。 天国にも勝る幸せも、地獄に勝る絶望も、全てはこの世の中にある。 こいつに与えるのは、死よりも辛い、地獄にも勝る絶望。 「ミィ!……ミィ!ミミィ!」 お願い!殺して!殺して!そう言いたげに俺の背に向けて鳴き声を上げる。 俺は、一旦足を止めて振り返り、こう告げた。 「お前は、特別に生かしておいてやる。せいぜい長生きすることだ。”命を大切に”な?」 途端、母タブンネの顔が真っ青になり、ガクガクと震え始めた。 俺は「フッ」と微笑むとヨーテリーを連れて広場を後にした。 「ミイイイイイイギャアアアアアアアアアアアアアアァァァァァッ!!!!」 母タブンネの絶望の大絶叫を背に、俺はヤグルマの森を出口に向けて歩き始めた。 森を出ると、辺りは夕暮れになっていた。 知らない内に時間が経ったもんだ。 本当に、いい暇つぶしだった。 「ヨーテリー、帰って夕飯にするか。今日は頑張ってくれたから美味しいフーズにオボンの実もやるからな」 そう言うと、ヨーテリーは嬉しそうに尻尾をパタパタ振りながら「キャン♪」と鳴いた。 さあ、家へ帰ろう。 充実した数時間に満足した俺は、相棒のヨーテリーと共に帰路への道を軽快に歩くのだった…… 暇つぶし-完- To be continued?
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こがねのおどりこ【登録タグ こ てんこ盛り 情熱P 曲 鏡音リン】 作詞:鷺塚 良太 作曲:情熱P 編曲:情熱P 唄:鏡音リン 曲紹介 時は古代エジプト、高貴な血を引きながら奴隷として売られてしまった少女のお話。(作者コメントより) 「こがねのおどりこ」と読みます。「おうごん」ではないです。 この作品の元となった物語はナナイロの特設サイトから見ることができる。 歌詞 (ナナイロ特設ページより転載) 奴隷の少女が 王(ファラオ)の前で舞い踊る 少女の胸には 生まれつき浮かぶ 悪魔(セト)の図形記号(グリフ) 城下に見渡す 黄金の全て王(彼)の所有物(もの) 褥の夜闇に 決して叶わぬ想いが募る 言葉でなく 躯(からだ)でなく 「この舞で語りましょう」 振り招く指 嗜虐の愛 触れぬ肌の熱さを 舞い踊る 黎明の風 黄金の蓮 夜露を ただ滲ませて 微笑む 月日は飛沫に 少女はやがて踊り子に 最初の披露目は 恋うる王(彼)の 婚姻の儀式 喘ぐ心 棘の痛み 「この舞に隠しましょう」 砂陰(さかげ)の咎 黙示の愛 狂気を孕み続け 舞い踊る 出会う二人 奴隷と姫 少女は自らの血筋(血)を 知らずに 二輪の蓮 鏡映し 「悪魔だ――」と叫ぶ怒声 視線の雨 黄金の王 少女を庇うために 立ちあがる 批難の雨 眩暈の淵 少女は 無実の罪を 認めた 少女の胸 貫く槍 舞い散る血にかまわず 舞い踊る 黎明の風 黄金の蓮 枯れ果て朽ち尽きるまで 微笑む コメント これかっこいいし最後悲しい!あたしこういう曲好きー! -- ねお (2010-04-22 21 42 25) この曲大好きだ! -- 一条 (2010-08-09 14 47 31) これ大好き!本当にもっと評価されるべき、てかなんで伸びないのかわからん -- 名無しさん (2011-04-04 01 51 03) 泣いた -- ああああ (2012-02-19 01 27 25) エジプトのお話の歌があったなんて♪この曲大好きです♪惚れました☆ -- クレオパトラ (2012-03-28 14 42 33) 『少女は自らの血筋を知らずに』って少女は、お姫様って事ですか! -- 舞菜○○○○○ (2012-08-16 23 42 36) 本当は高貴なる姫という立場だが奴隷という汚名を片手に王に恋し最後には殺されてしまうというは -- 赫音 (2016-11-07 17 56 23) 名前 コメント
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679 名前: NPCさん 2005/06/29(水) 01 01 55 ID ??? 昔参加してたサークルでシステムはトーキョーN◎VAD PC1 バサラ PC2 アヤカシ PC3その他アストラル関係者 という斬新なハンドアウトで困ったことはある いや、そのマスターN◎VA内でアストラル利用してセカンドインパクト起こそうとしているやつがいるってことしか頭になくってさ 導入とか、展開とか考えてなかったから、全員が最近地震がおきている、というオープニングで アストラル重役三人からそれぞれのPCに地震を調べろとしか言われなくて困ったってだけなんだけど これぐらいじゃ困ったチャンじゃないですかねぇ 681 名前: NPCさん 2005/06/29(水) 01 06 54 ID ??? 詳しく報告しないと事故として処理されます。 682 名前: NPCさん 2005/06/29(水) 01 18 10 ID ??? 詳しくも何も、マスターが自分の中にしか目が行かない子で たとえばプレイヤーやる時は自分のPCのかっこよさばかり気にして他人と協調して意見を聞いたりすることが苦手な子だから (自分のシーンじゃない時は自分のキャラのイラストを白紙にいっぱい書いてばっかりいたりするし) 結局、その時も狂気がかったNPCの演出はしっかりと紙に書いてあったのに、展開についてはまったく考えてなかったってだけなんだけど まぁ、その子の出すNPCの狂気や、不気味さはホラー好きだから真面目に怖いんだけど、 どのキャラを見ても本質的にプレイヤーの嗜虐趣味や、狂気好きがでてて扱いにくい時がある カブト(防御系クラス)をやっても積極的に殴らないと気がすまないようなときがあって困るな まぁそれをいろいろ言っても進歩がないことが一番困るんだが 688 名前: NPCさん 2005/06/29(水) 11 20 24 ID ??? あー、追記すると、その子は N◎VAマニアなのだが基本的に達成値馬鹿、50点ぐらいの経験値のキャラで達成値25から28ぐらいを狙ってくるようなタイプ いちばん最初にN◎VAやった時、嫌いなタイプのNPCを瞬殺できなかったから、 次のセッションの時居合い8LV+サイバーバリバリとか、嫌いなプレイヤーが銃使いだから絶対にカブトワリ(銃使いのクラス)はやらないと断言したりとか だからその子のキャラクターはほとんどがカタナ(接近戦クラス)になる、てかほとんど前線で殴るキャラしかみねぇ すべてに達成値上げ組み合わされて萎えるし たまにカタナやらなかったときには トーキー◎、レッガー●、フェイト とかやって、経験点60ぐらいで、情報はニュースソース4LV+壁に耳ありのみ、社会は他はN◎VA2LVとストリート1LVのみ で戦闘になると前線に出てやはりイカサマ+チェックメイト+ダーティファイト+ショックバトンで殴りに行く、 で、ぼこられる (このあたりのクラスなら、本来は殴りには行かない) とか、 基本的に攻撃に対して受けをしない なぜなら受けをしなければその分速く反撃ができるからだ と完璧超人のような信念を持っていたり とか、 プレイヤーの顔を見てロールプレイを変える雰囲気があって、サークル内でもおとなしい子のPCに対しては どのキャラでもまず馬鹿にしてかかったり とか、 N◎VA以外のシステムをやる気がなくて、他のゲームの日には来すらしねぇ、 とか、 一度RLやったシナリオをもう一度PLとしてやる時に、 他のプレイヤーがあるNPCについて調べようとした時に ここでこいつの事を調べると敵が襲ってくるから私が調べますね とか言っちゃったりする、そのせいでマスターはぐんにょりしちゃうし、参加してるほかのプレイヤーもなぁ萎えた あー、ストレスたまってるなぁ、俺 693 名前: NPCさん 2005/06/29(水) 11 36 17 ID ??? 実は進行形 ただ、忙しくなったんで、一時期ほどはサークルに顔を出せないだけ だからむかしっぽく言った、すまんね まぁ個人的には遊びたくないんだがアヤカシSSSやりたかったんでマスターしようと思って募集かけたら オカルトマニアのその子も立候補してきてやむなく久しぶりに遊んだってだけ で、面と向かってあそびたくねぇなんて言うと、サークル内の雰囲気が気まずくなるから言わない まぁ、相当にあちらこちらから不満は出てるんだが、その子自身が正直何するかわからんという危惧をしてるから言わない、怖いし 695 名前: NPCさん 2005/06/29(水) 11 48 30 ID ??? 683 もっと積極的にハブにするしかないな。 他の連中と相談して。 あとは他の参加者と申し合わせて セッション中に問題行動したときにみんなで露骨に嫌な顔するとか、 RLが戦闘投げたりするとか、そいつにとってすごい寒い空気を作る。 それを自主的にこなくなるまで繰り返す。 面と向かって言えないとするとこんな感じで追い出すしかない。 696 名前: NPCさん 2005/06/29(水) 11 55 01 ID ??? 695 果たして、そんな精神攻撃が効くかどうか・・・ それ以前に、精神攻撃をされていることに気付くかどうか・・・ 697 名前: NPCさん 2005/06/29(水) 11 59 20 ID ??? まぁ、人が少ないサークルだから、はずすのは良くないだろうと今のリーダーが決めてる以上、 追い出すという頭はないのだけど、すでに立場はOBだし アヤカシSSSは主人公にベテランを据えてかっこよく強いキャラを演じてもらったので何とかなった まぁ主人公が二天一流や、つき返しの追加行動が多かったので、その子が戦闘中に見せ付けるように化粧を直したりしだしたときはもにょったが 全員がその行動を無視したしな、 ただ、その子を見てると多少忙しくても、経験なくても人を集めて気の合うやつらとサークルを立ち上げようかなぁ、とかは感じる 701 名前: NPCさん 2005/06/29(水) 12 18 17 ID ??? 別にその子はパワーゲームが好きなわけじゃなく、現にルールもよく読まずにルール的に不可能な変なコンボ考えたりする ただ強いキャラを演じるのは嗜虐嗜好のせいじゃないのかな、好きな特技に元力:虚無、元力:火炎をあげるぐらいだし うちの環境は経験点額面どおりの強さをしている分にはあまりどうこう言われないし (居合い7LV+ウェットとかもいるし) スプラッタ、化け物、狂気、似非オカルト、美形男子、男装女子がすきって言うと雰囲気がわかりますか? 709 名前: NPCさん 2005/06/29(水) 12 45 03 ID ??? そうですね、まぁ自分はOBなんで顔を合わせる機会が少ないから避ける方向で行くべきかな これ以上やると粘着になるので、ここらにしときます、アドバイスありがとうございました スレ74
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タイトル「ソコにしか残っていなかった、と彼は語った」 「なあ、マイスはん、ウチになんか隠し事しとるんとちゃう?」 氷原に咲く花でデートの最中、思い切って聞いてみた。 最近、彼の態度がおかしい。 ちょっと前までは、デートでいい雰囲気になったら肉食系男子ならぬ 肉食系モコモコの彼は、溢れんばかりのエロスを自分に向けて来ていた。 「あっ、や、ダメやって!こんなとこで、んぅっ!誰かに見られてもうたら…!」 「大丈夫だよ、さくや。ここならちょうど花畑からは死角になってるから、 よっぽど近くに来ない限り気づくわけないって。…さくやが大きな声を 出したりしなければね!」 「ひゃうん!?」 こんな具合に、ところ構わず求めてくる。 実のところ、大人っぽさとは若干、…そう、若干縁遠い自分の体でも彼を 満足させることができ、求めてもらえるのは嫌な気分じゃない。 なんだかんだでマイスはちゃんと人に見つからないように気を使っているし、 最近では誰か人が来るかもしれない緊張感に興奮している自分もいる。 嫌、駄目と言いつつもそこを無理やりにされるのがたまらない快感なのだ。 そんな自分をよく理解しているマイスも、それからどんどん大胆になってきて… 閑話休題。 改めて考えてみると、自分は取り返しのつかない道に目覚めている気がする。 これはこれで大変重要な問題だが、今はそれどころじゃない。 最近のマイスが何か隠している風なのだ。 冬の月に入る少し前くらいから、体を求められる回数が極端に減った。 デート自体の回数も減ったし、あまり町に出てこないで大樹の家でなにか やっているようなのだ。 体を求められるときも本番はなく、自分がもういっそ服全部脱がせて、と 叫んでしまうくらいメチャクチャにされるだけだ。 …今、「だけ」とか考えてしまった自分がかなり手遅れな気もするが、 それどころじゃない。 カブ合戦では元気にカルロスに集中攻撃していたし、町の行事にはちゃんと 参加している。 なにか悪いことをやっているとは思えないし、浮気なんてありえない。 ただ、確実に何か隠している。 彼はモンスターとのハーフであるという秘密まで打ち明けてくれたのだから、 きっとそのうち打ち明けてくれるだろう。最初はそう思っていた。 その考え自体は今も変わらない。話してくれるまで待っていたいと思っている。 ただ、耐えられなくなってしまったのだ。体の疼きに。 もう半月近く本番をヤッていない。 本番無しじゃ我慢できない。 強引に攻められたい。 あの嗜虐的な眼で見下ろされたい。 マイスを体の芯から感じたい。 それらの欲求が、待っていたい気持ちを上回ってしまった。 「なあ、マイスはん、ウチになんか隠し事しとるんとちゃう?」 今回のデートでも本番をしてもらえないかもしれない。 そう思うと、言わずにはいられなかった。 マイスも、何を問われているのかすぐにしたのだろう。悪戯っ子のような、 肉食獣の笑みを浮かべ、 「うん。実は今日、そのことについて話そうと思ってたんだ。さくやも最近 ずっと気にしてたみたいだしね。」 期待に胸が高まる。秘密はなにかいいことのようだし、今日こそ本番をして もらえるかもしれない。 「ひどいわぁ、マイスはん。ウチが気にしてたの知ってて知らんぷりしてたん!?」 「さくやは信頼してくれてるってわかってたからね。不安ではなかったでしょ? それに…、さくやが気にしてたのは隠し事のほうじゃなくて、」 突然マイスに後ろから抱き締められる。抱きしめてきたその両手が、服の中へと 入ってくる。 「な、ちょっと!マイスはん!?」 「こっちのほうでしょ…?」 彼の左手が太ももを撫で上げ、下着に指をかける。右手は胸元に入れられ、 申し訳程度の乳房をなぶる。後ろから首筋にキスされ、耳元まで舐められる。 全身に鳥肌が立つ。それは嫌悪感などではなく、待ち望んでいた行為への高まった 気持ちの表れ。 「ひゃっ、ウ、ウチ、そんなやらしく無いで!」 「何言ってるのさ、こんなに熱くしちゃって。もう濡れてるよ? ずっと期待して待ってたんでしょう。…本当に嫌なら止めるけど?」 「うぅ…。マイスはんのいじわる…。」 嬉しすぎて涙が浮かぶ。こぼれる前に彼が舐めとる。もう自分は彼がいないと 駄目だ。彼無しには生きられない。母のように、強くはなれそうにない。 それでもマイスがいてくれるならなんだっていい。彼にならすべてを捧げられる。 乱暴なようでも、確かな愛情を感じる。愛し合っている。 ふっと、背中からマイスが離れる。 「え…?」 なんで止めてしまうん?そう聞こうとして振り返ると、マイスは笑顔で、 「うん、やっぱり似合ってる。冬の間に渡せてよかったよ。」 と言った。いつの間に巻いたのか、自分の首元には、金色の、だけど派手すぎず、 和服にも違和感なく似合うマフラーが巻きつけられていた。 「最近はずっとそれを作ってたんだ。僕の金のモコモコの毛を使って作っててね。 あんまり量が取れないから時間がかかっちゃったよ。」 ごめんね、と彼は恥ずかしそうに微笑む。 さっきまでの嗜虐心に満ちた顔とは違い、幼さすら感じる微笑み。 彼の思いに胸が温かくなる。 「うれしいわぁ…。ありがとう、マイスはん。すごくあったかいで、これ。 こない綺麗なマフラー、他に見たことないわ。」 本当に丁寧に作られているのがわかる。金の毛が美しく編みこまれ、規律を持って 並んでいる。彼の毛だと思うと少し変な気分になるが、それもまた愛情だと思う。 思わず顔をうずめてみる。 「ん~、ふかふかもこもこ~。」 「気に入ってくれたみたいで嬉しいよ。さくやの和服、うなじが見えて綺麗なんだ けど、冬は寒そうだったから。」 そんなところまで気づいてくれた彼の優しさが身を包みこむ。 「ほんまありがとな、マイスはん。こんな綺麗なマフラー身を削って作ってくれて。 端から端までえらい丁寧に…ん?」 マフラーの端のほうに違和感を見つける。 「…なあ、マイスはん。」 「なに?」 「そういえば、なんで最近エッチしてくれへんかったの?」 「…なんていうか、急いでて、足りない分を補うために、ね…。」 「…。」 「…。」 マフラーの端のほうには、妙にちぢれた毛が大量に使用されていた。 <終われ>
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ある晴れた日の昼下がり、家で寛ぐのにも飽きてきた俺は 何か暇つぶしの方法は無いかと、頭の中で模索していた。 そして、数分の内に一つの案が浮かんだ。 『タブンネで遊ぼう』 俺は早速、準備に取り掛かった。 螺子にナイフ、傷薬、そして相棒のヨーテリーを連れて ヤグルマの森へと向かった。 この時、午後2時を回った頃だった…… ヤグルマの森に着いた俺は、早速タブンネを探し始める。 すると、地面に見覚えのあるハート型の足跡を発見した。 間違いない。これは、タブンネの足跡だ。それも1匹ではなく、複数の 足跡が残っている。3匹……いや、4匹か。 俺はヨーテリーをボールから出して、臭いを嗅がせながら足跡を追跡した。 先頭を歩いていたヨーテリーがピタリと歩みを止めた。 そして、クルリと俺の方を見やって「キャン!」と鳴いた。 『ここに居るよ』と伝えているようだ。 俺は目の前の大きな茂みを掻き分けて中を覗く。森の茂みの中にポッカリと 広い空間が在った。中央には木の実の成った大木。 その下に成体のメスタブンネと子タブンネ、赤ちゃんタブンネの3匹が 座りながら木の実を食べていた。 さあ、暇つぶしを始めようか。 俺はヨーテリーと共に茂みの中へ歩を進めた…… 俺が茂みの中の広場に入ると、母タブンネがびくりとして振り向いた。 常に人間に狙われているタブンネには、俺達人間は要注意すべき対象なの だろう。 その証拠に母タブンネは、警戒の眼差しで俺を見ている。 しかし、生まれて日も浅い赤ちゃんタブンネや、人間を見たことが無い子 タブンネは、「なぁに?」と不思議そうな眼で俺を見る。 「ミィ……」 母タブンネが子供二匹を自分の背後へ隠し、庇う姿勢をとった。 花畑思考のタブンネにここまで警戒されるとは思っていなかったな。コイツは 昔、虐待にでもあっていたのだろうか。 俺がジリジリと距離を詰めると、子供二匹が「ミィミ?」「チッチィ?」と鳴いた。 「これ誰?」とでも言っているのだろうか? 「危ないから隠れてなさい!」とでも言わんばかりに、母タブンネは子タブンネ達を グイグイと背中へ隠す。そして注意は俺「のみ」に向けられている。 そう、つまり…… 「今だ!ヨーテリー!」 後ろががら空きだ。 「ヨーテリー、ガキ2匹を掻っ攫え!」 背後の草むらから飛び出したヨーテリーが赤ちゃんタブンネと子タブンネの 尻尾を咥え、そのまま母タブンネの頭上を一足飛びで飛び越え、俺の隣に着地した。 「よくやったぞ、ヨーテリー」 赤ちゃんタブンネを掴みつつ俺が褒めると、ヨーテリーは「キャン♪」と得意気に 鳴いた。本当に可愛い奴だ。 一瞬で子供達を奪われ呆然としていた母タブンネがこちらに向けて瞳を潤ませながら 両の手を合わせ「ミィーン!ミィーン!」と鳴いている。 「子供達を返して下さい!お願いします!」ってとこだろうな。 もちろん、返す訳はないんだけどさ。 俺に掴まれている赤ちゃんも、ヨーテリーに踏まれている子タブンネも、母親に向けて 「ママ!こわいよう!たちゅけてぇ!」と言わんばかりにミィミィ、チィチィ泣いている。 俺が無視して踵を返すと、ドタドタと走ってきて俺のズボンの裾をグイっと掴んだ。 それが開幕の合図になった。 「糞豚の分際で人間に逆らうんじゃねぇ!」 俺は、そう叫ぶと振り向き様に母タブンネの顔面に蹴りを入れた。 「ミギィッ!」短い悲鳴をあげ後頭部から地面に倒れ込む母タブンネ。 俺は、そのまま母タブンネの胸を、腹を、下腹部を渾身の力を込めて踏み抜いた。 「お前らは人間に玩具として扱って貰う為に存在してるんだ!お前らの身体も命も人間の所有物! お前らに選択肢なんて何一つ有りゃあしねぇんだ!」 怒鳴りながら母タブンネの身体を踏みつける。その度に母タブンネの呻き声があがる。 そしてゴキリ、と何かが折れるような音がした。 「ミビイィィヤアァァ!」 母タブンネが下腹部を押さえて悲鳴をあげた。 よく見ると母タブンネの股から夥しい血が流れている。踏み付けで折れた骨が 膀胱や子宮にでも刺さったか。 まあ、大した問題じゃない。むしろ、これで母タブンネは立ち上がる事すら困難に成った。 これは、俺としては好都合だ。 傷付き悲鳴をあげる母を見て泣きじゃくっている赤ちゃんタブンネを母タブンネの眼前に突きつけた。 「さて、ここからが本番だ。お前らの命が人間の所有物であるってのは、さっき言ったよな? そこで今から、お前とお前のガキ二匹で遊ばせて貰う」 俺は低い声で言い放つと、家から持ってきたナイフを取り出し、赤ちゃんタブンネの耳に 突きつけた。 「チイィ!」 赤ちゃんタブンネはイヤイヤと首を振り、つぶらな瞳からポロポロと涙を 零して、母親に助けを求めている。 俺は、母タブンネと赤ちゃんタブンネを交互に一瞥すると、一気に赤ちゃんタブンネの片耳を 触覚ごとザクリと切り裂いた。 「チギイイイィィィッ!?」 森の中に赤ちゃんタブンネの絶叫が響き渡る。 耳の有った箇所からは血とリンパ液が噴き出ている。 瞳から涙を溢れさせながらも必死に身体を捩って俺の手から抜け出そうとする。 「チチィ…チュッチィ……!」 すすり泣くような細い声で鳴きながら、「いたいよぅ、たちゅけてよぅ」と母タブンネの方に手を伸ばす。 どう足掻いても届くわけは無いのになぁ。 そういえば、五月蝿い母と赤ちゃんとはうって変わって静かな子タブンネは どうなってんだ?と思い、目を向けてみると、うつ伏せになったままヨーテリーに踏みつけられたり、 引っ掻かれたり、咬み付かれたりと正しく「玩具」のように遊ばれていた。 ……アイツ、S犬だな。 「ミヤアアァァァ!!!ミィ!ミィミ!!」 滝のように涙を流しながら、母タブンネが必死に懇願する。 しかし、聞きはしない。俺は、ナイフをクルクル回すと、残った片耳も 同じように切り落とした。 赤ちゃんは、余りの激痛とショックにカクリと気を失った。 その様を母タブンネの目の前に持っていって見せ付ける。 耳を失った我が子を大粒の涙を流しながら見つめる。そして、両手を伸ばし 顔を撫で様としたところで、サッと取り上げる。 撫でようとした両手は空を切り、そのままバランスを崩して顔から地面に倒れた。 折れた骨が内部に刺さって、身を起こすことすら出来ない。取り上げられた子を 奪還することすら出来ないのだ。 親として、これほど悔しい事は無いだろう。 「さて、お前の子は耳を失ってしまったわけだが……これで終わりだなんて思っちゃ いないよな?」 そう言って俺はナイフを気絶している赤ちゃんタブンネの腕に当てた。血に濡れた刃に 木漏れ日が当たって赤く光った。 母タブンネは、バッと顔を上げ、上半身だけを何とか起こして俺の足元に、はたく攻撃を しようとした。 しかし、全身に走る激痛の中で放つ攻撃にどれ程の威力と精度が出ようか。攻撃が当たる前に 俺の爪先が母タブンネの眉間に刺さった。 転がっていく母タブンネを見下しながら、赤ちゃんタブンネの腕を切断する。 シュウゥゥ!と血が噴き上がり、激痛に目を覚ました赤ちゃんタブンネは「キィヤアァァアアアア!!」 と耳障りな悲鳴を上げる。 「ほらほら!ママがしっかりしないから赤ちゃんは、おててまで失くしちゃったよ?片方だけじゃ バランス悪いから、もう片方も落としとこうか」 ザシュッと残った片腕も切り落とす。 もう赤ちゃんの周りは血溜まりだらけだ。流石にメインイベントの前に出血多量で死なれても困るので 傷薬を使って、出血だけは止めてやる。 「フィィ……チピィ……」 赤ちゃんは、泣きながら母親に助けを求め、無い手を必死に伸ばすような仕草で 母親の方に身体を乗り出している。 「ミィ……!ミミミ……ムゥアアアアァァ……!」 母タブンネの悔恨の慟哭。これは、そろそろ仕上げで良いだろう。 俺は、耳と手を失くした赤ちゃんタブンネをゆっくりと地面へ降ろした。 「チイィ……?」 許してくれるの?と言うような眼差しで俺を見る赤ちゃんタブンネ。 そのまま、おぼつかない足取りで歩き出す。 母親の温もりを求めて、よちよちと懸命に歩いていく。 倒れたきりの母タブンネは泣きながら這いずって赤ちゃんの方へ進む。 「チイッ!?」 赤ちゃんタブンネが蹴躓いて顔面から転ぶ。涙と鼻血を垂らしながら起き上がろうとするが手が無いのでは起き上がれない。 プルプル震えながら残った足だけでズリズリと芋虫の様に母タブンネの元へ這って行く。 母親といい、子といい、どっちも虫けらみたいでお似合いじゃないか。 タブンネという種族の真髄を体現しているかのようだ。 必死で這いずってようやく母タブンネの手が赤ちゃんに届くところまできた。 「よく頑張ったね」というような涙に濡れた微笑で赤ちゃんを引き寄せようとする。 ここだ!俺は持っていたナイフを赤ちゃん目掛けて投げつけた。 ズコッ! 「チィ…ッ」 投げつけたナイフは、赤ちゃんタブンネの後頭部に刺さり、そのまま顔面へ突き抜けた。 赤ちゃんタブンネの片目からナイフの先端が突き出ている。 赤ちゃんタブンネは、そのまま糸が切れた人形のようにバタリと突っ伏して息絶えた。 目の前の母タブンネの顔には、赤ちゃんの血と脳漿が飛び散っていた。 「ミィ…ミィ…ウビヤアアアアァァァァ!!!!!!」 母タブンネは、今日何度目かの絶叫を上げた。 自分の手の届く寸でのところで赤ちゃんを守れなかった。 痛みに苦しむ我が子を抱き寄せてやることすら出来なかった。 これから、すくすくと大きくなり、幸せな生涯を送る筈だった赤ちゃんタブンネ。 その赤ちゃんタブンネが耳を削がれ、両手を捥がれ、挙句、自分のすぐ眼前で死んでしまった。 母タブンネは両手をバンバンと地面に打ちつけて泣き叫んだ。 そして、俺の方をキッと睨み付けると「ウミイィィィッ!」と声を荒げて突進(但し這い這い)しようとした。 しかし、それは不意に自身の顔の側面に走る衝撃によって未遂に終わった。 母タブンネが、俺に攻撃しようとするのを見て、ヨーテリーが体当たりしたのだ。 攻撃に秀でるヨーテリーのタイプ一致体当たりを食らった母タブンネは、そのままゴロゴロと転がって動かなくなった。 まさか、死んだのか?そう思ったが、どうやら生きているらしい。打ちひしがれているのだ。自分の無力さに。 まだ「ウゥゥー…」と唸っているヨーテリーを鎮めると、俺は母タブンネの前まで行きワザとらしく言った。 「お前、これだけ無残な思いをしても、まだ自分の立場が解らないんだ?仕方ないな、もう一人の子供にも罪を償ってもらうか」 すると、母タブンネはビクッとして顔を起こし「ミィ~ン…ミッミィ~ン……」と媚び始めた。 「お願い、あの子は見逃してあげて。変わりに私が死ぬから」というところか。 どちらにしても、あの子タブンネも死ぬんだよ。 俺は、媚びる母タブンネに唾を吐きかけると気を失っている子タブンネに近づいた。 懺悔第二章の始まりだ。 媚びる母タブンネをよそに気絶している子タブンネを蹴り起こす。 「ミッヒ!?」 ゴロゴロ転がりながら耳を押さえて震えている。 よし、先ずは先刻の赤ちゃんと同じように、その耳から千切っちゃおうか。 俺は、子タブンネの顔面を脚で押さえつけると、方耳を掴み一気に引きちぎった。 ブチブチィッ!血とリンパ液が噴き上がり、子タブンネの耳は引き裂かれた。 「ミギャアアアアァァァッ!!!」 激痛に子タブンネが悲鳴を上げる。まだ片方残っているのにな。 「序でにもう片方、っと」 ブヂリ!子タブンネの頭は見事な蛸頭となった。 子タブンネはまたも泡を吐き、ビクビクと痙攣しながら気を失った。 「ミ…ミ…ミヒャアアアアアアアアアアアアアァァァァッ!!!」 続け様に我が子を傷つけられ、母タブンネが絶叫を上げる。 中々、いい感じだ。しかし、もっと絶望してもらわなければいけない。 俺は、ヨーテリーに子タブンネの尻尾を食い千切る様に指示を出す。 ヨーテリーは気絶している子タブンネの尻尾の根元を咥えると、牙を食い込ませ、そのまま首を振り上げて放り投げた。 ブツッ!子タブンネの尻尾は根元から綺麗に切断された。 ヨーテリーは尻尾をペッと吐き捨てると、宙を舞っている子タブンネの落下に合わせて腹に体当たりを食らわせる。 「ミブェッ……!」 内臓まで響く衝撃に、子タブンネの口からはドロリと血が吐き出される。 そのままドサリと地面に叩きつけられる子タブンネ。 「ヒィ……ミッ…フィィ……」 掠れた様な声で細く呼吸する子タブンネ。肺でもやられたかな。 じゃあ、死ぬ前に仕上げるとするか。 俺は、倒れた子タブンネの顔面につま先で蹴りを入れる。 蹴りは呼吸する口の中に命中し、ボキボキと歯の折れる音を立てながら、喉まで達した。 「ウブ…ミブォオエェェッ!!」 口の中にめり込んだ俺の靴に血が飛び散った。汚いが、まあいい。新しい靴を買えば済む話だ。 足を抜くと、子タブンネの口角から砕けた歯の混じった血がボトボトと流れ落ちる。 当の子タブンネは白目を剥いて意識を失っているが。 どうせ、気絶してばっかだから眼も要らないな。 「ヨーテリー、この糞豚の目玉を食い潰せ!」 ヨーテリーは「キャン!」と吼えると、子タブンネの眼球目掛けて爪を突き立てる。 食い潰せと言った筈なんだが……。流石にあんな汚物みたいな奴の眼は口に入れたくないんだろうか。 グッチョ……!漁の目を失い、もはや顔面は血まみれで、元の原型を留めていない。 後は、止めを刺すだけなのだが、母タブンネの方を見てみると、声も出す事が出来ずに絶望に顔を歪めきって、ホロホロと泣いている。 よぅし、じゃあ最高の一撃で葬ってやるとするか。 俺は、脚を高く振り上げる。 「いち…にの…さーーーーーーーーーーーーん!!!」 そして、渾身の力を込めて子タブンネの頭を踏み抜いた。 ドボオォッ!ゴキッ!ポキポキ!ブチン! 頭蓋が砕け、脳味噌が潰れ、顔面の穴という穴からニュルニュルと脳漿を垂れ流し、悲鳴も上げずに子タブンネは汚い肉塊と化した。 目の前で最愛の子供を両方失い、軽く精神崩壊状態の母タブンネ。 しかし、ここで母タブンネに止めを刺しては面白くない。 あの時、森の歩道で見つけた足跡は"4つ"だった。 だが、この場に居るのは、死んだ2匹を含めても3匹だ。 もう一匹どこかに居るはずだ。そう、この母タブンネの夫であり、死んだガキ共のもう一匹の親である、父タブンネが。 そんな事を考えていると、ヨーテリーが突然「ウゥー・・・」と唸りだした。 ヨーテリーの顔の毛は、微弱な空気の流れを感じ取り、外敵の接近を察知する。 タブンネが聴覚なら、ヨーテリーは、空気の流れに触れて感じ取る触覚な訳だ。 ヨーテリーの読みどおり、広場の奥の草むらがガサガサと揺れ始めた。 その奥から、成体のタブンネよりもガタイの良いオスのタブンネが現れた。 間違いない。コイツが父タブンネだ。 子供達や妻の悲鳴を聴いて全力で走ってきたのだろう。大分息を切らしている。 母タブンネは、夫が帰ってきた事に安堵したのか「ミヒェエエエェン……!」と泣いている。 父タブンネは、ゆっくりと辺りを見回す。 両手と寮耳を捥がれ、頭にナイフが突き立てられた赤ちゃん、同じく、耳を捥がれ、眼を潰され、脳味噌を垂れ流した第一子。 そして、全身痣と擦り傷だらけで、股から夥しい出血をした、ボロ雑巾のような妻。 一通り見回すと父タブンネは、俯いて「ミィ…」と小声で呟いた。 他のタブンネと同じように泣いて後悔するだけかと思っていたが、父タブンネは、拳を作ってワナワナと震え始めた。 そして、「ミギギギギ……!」と唸り始め、顔を上げると目つきを鋭くした。 「ミガアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァッ!!」 憤怒と殺気の籠められた怒号の雄たけびを上げる。 家族の仇として、俺達に復習する気のようだ。 ならば、こちらも迎え撃たねばなるまい。 「ヨーテリー!」 俺が呼ぶと、ヨーテリーは、父タブンネに向けて唸りだした。 「本気で遊んでやれ!」 ヨーテリーは、了解!と言わんばかりに、尻尾をピン!と立てた。 「ミィ!ミィミ!」 母タブンネは「気をつけて!」と言う様に、父タブンネに向けて声をかける。 その鳴き声が合図となり、父タブンネは、勢い良く突進を繰り出す。 しかし、所詮はタブンネの遅い突進。ヨーテリーは地を蹴りヒラリと突進を避けると父タブンネの後ろに回り、そのまま背中に体当たりを食らわせた。 「ミギッ!」 短い悲鳴を上げて地面に転げ込む。そのまま追撃でもう一発。 父タブンネは、頭から木の幹に叩きつけられた。 「ミガアッ!」 頭を樹に打ちつけ、ズルズルと倒れた、が何とか起き上がる。 「ミヒィ!」という不安げな鳴き声をあげる母タブンネを掌で制し「案ずるな」と言わんばかりにコクリと肯く。 ほう、なかなかの気骨だ。タブンネの中にも、こんな奴も居るんだな。 タブンネじゃなかったら捕まえて帰りたいくらいだ。 何とか起き上がってヨーテリーに向き直った父タブンネ。 しかし、戦闘開始から僅か数十秒で満身創痍となり、もはや戦える状態ではない。 「ミ……ミイイイィィッ!!」 それでも妻を守る為とボロボロの身体で今度は腕を大きく振りかぶる。往復ビンタか。 しかし、当然の如く当たる筈も無い。 ヨーテリーに容易く避けられた上に、足の力が抜けて転倒してしまった。 ヨーテリーは、その隙を見逃さず、父タブンネの尻尾に噛み付き、勢いよく噛み千切る。 「ミッビイイィッ!!!??」 尻尾を千切られた父タブンネは、臀部を押さえ、ゴロゴロと転げて蹲る。 「ミ……ミィ……ヒヒィ……」 最初の勢いは何処へやら、瞳を潤ませて、それでもヨーテリーを睨み付ける。 もうここらが潮時だな。 「ヨーテリー!もういい、終わらせるんだ!」 ヨーテリーは、俺の指示にコクリと頷くと、ギュンと目つきを鋭くし、四肢に力を込めた。 ヨーテリーの全身に力が充満し、周りに青白いオーラを纏い始める。 ヨーテリーの恩返しだ。主への忠誠が高ければ高い程、その威力は数十倍にも跳ね上がる。 周りの小石が闘気によって浮き上がり、木の葉はパン!パン!と音を立てて弾けている。 「ミ……ミヒッ……」 父タブンネは、ヨーテリーのあまりの気迫に震え上がっている。 まともに動けない状態で、相手が肉眼で見えるほどの闘気を放っていれば、それは恐ろしいだろう。 「ウウウゥゥゥ……!」 ヨーテリーが唸り声を立て始めた。そろそろ発動か。 この隙に逃げればいいと思うのだが、妻を見捨てては行けない父タブンネは、震えながらも、両手をグッと握り締め、構えている。 「キャオオオオオオォォォン!!!!!」 ヨーテリーが咆哮を上げる!次の瞬間、バシュッという音と、微かな青い光と共にヨーテリーの姿は消えた。 そして、一瞬にして父タブンネの身体を貫通し、土煙を上げて、停止した。 素晴しい一撃だ、ヨーテリー。 「ミ……ミ……」 身体に大きな風穴の開いた父タブンネは呻き声を上げながらガクガクと痙攣し、穴からは血と内臓と骨片を撒き散らしている。 そして、最後の力を振り絞って母タブンネの方に振り返ると、声も上げずにドサリ、とその場に崩れ落ちた。 その亡骸の周り血河と化し、表情は無念と絶望に満ちていた。 「……ミィ」 子供2匹と夫まで失った母タブンネの表情は虚ろだった。 何もかも失い、居切る気力を失くしていた。 「私も殺して、皆の居る所へ逝かせて」そう言わんばかりに、ズリズリと俺達の方へ這ってくる。 さあ、ここからがフィナーレだ。 「ヨーテリー、あのタブンネの足を噛み砕け」 指示に従ったヨーテリーは、母タブンネの両足に牙を突き立てる。 「ミギッ!」 掠れる様な悲鳴を上げる母タブンネ。しかし、それ以上は何も口に出さない。 ブルブルと震えているだけだ。 「…次は、両腕だ」 足と同じく、両腕も噛み砕く。そして、持ってきた螺子で四肢を固定する。 夥しい鮮血に塗れ、母タブンネは、その場に固定された。 俺は、母タブンネの目の前まで行き、頭の上で足を振り上げた。 「ああ、これで死ねる」母タブンネは、ゆっくり目を閉じる。だが…… 「よし、もう帰るぞヨーテリー」 「ミッ!?」 俺は、クルリと踵を返すと、母タブンネは驚きの悲鳴を上げた。 しかし、別に驚く事じゃない。俺は、拷問を始めた直後から、コイツだけは生かしておく算段だった。 家族をことごとく殺され、自身の身体も破壊され動くことすらままならなくなった。 そうすれば、自然と生きる気力もなくなり、死を望むだろう。 そこを無理矢理生かして苦しませる。 家族の亡骸を目の前に曝され、時の流れと共に腐り、風化していく様を見せ付けられる。 この上ない絶望と苦痛を与えられる。 死して家族の元へなど行かせない。 天国にも勝る幸せも、地獄に勝る絶望も、全てはこの世の中にある。 こいつに与えるのは、死よりも辛い、地獄にも勝る絶望。 「ミィ!……ミィ!ミミィ!」 お願い!殺して!殺して!そう言いたげに俺の背に向けて鳴き声を上げる。 俺は、一旦足を止めて振り返り、こう告げた。 「お前は、特別に生かしておいてやる。せいぜい長生きすることだ。”命を大切に”な?」 途端、母タブンネの顔が真っ青になり、ガクガクと震え始めた。 俺は「フッ」と微笑むとヨーテリーを連れて広場を後にした。 「ミイイイイイイギャアアアアアアアアアアアアアアァァァァァッ!!!!」 母タブンネの絶望の大絶叫を背に、俺はヤグルマの森を出口に向けて歩き始めた。 森を出ると、辺りは夕暮れになっていた。 知らない内に時間が経ったもんだ。 本当に、いい暇つぶしだった。 「ヨーテリー、帰って夕飯にするか。今日は頑張ってくれたから美味しいフーズにオボンの実もやるからな」 そう言うと、ヨーテリーは嬉しそうに尻尾をパタパタ振りながら「キャン♪」と鳴いた。 さあ、家へ帰ろう。 充実した数時間に満足した俺は、相棒のヨーテリーと共に帰路への道を軽快に歩くのだった…… 暇つぶし-完- To be continued?
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エルの天秤 殺人…窃盗…誘拐…密売… ──悪魔に魂を売り渡すかのように 金になる事なら何でもやった 問うべきは手段では無い その男にとって目的こそが全て 切実な現実 彼には金が必要だった… 傾き続けてゆく天秤 その左皿が沈み切る前に 力づくでも浮き上がらせるだけの金が 右皿には必要だった… そして…その夜も天秤は仮面を躍らせる…… 闇を纏うように 夜の静寂を探り 瞳と瞳(目と目)を見つめ合って 夢想的(Romantic)な月灯りに そっと唇重ね 息を潜めた… 慌しく通り過ぎる 追っ手達を遣り過ごし 手と手を取り合って 戯曲的(Dramatic)な逃避行に 酔った二つの人生(いのち) 愛に捧げた… さよなら…(権力の走狗どもには便利なカード) さよなら…(娘を売れば至尊への椅子は買える) 身分違いの恋 許されないと知っても ♂(お)と♀(め)は惹かれ合った 嗜虐的(Sadistic)な貴族主義を 蹴って檻を抜け出す 嗚呼それは悲劇… 運命の遊戯盤(Board)の上で 支配力を求めて 生と死は奪い合った 在徹底的(Drastic)な追悼劇を 笑う事こそ人生 嗚呼むしろ喜劇… さよなら…(コインで雇った者が裏切る世の中) さよなら…(他人ならば不条理と責めるは惨め) 楽園への旅路 自由への船出 逃走の果てに辿りついた岸辺 船頭に扮した男が指を鳴らすと 黒衣の影が船を取り囲んだ…… 「お帰りの船賃でしたらご心配なく 既に充分すぎるほど戴いておりますので、 けれども彼は、ここでさよなら」 「残念だったね…」 「娘さえ無事に戻るならばそれで良い 使用人(オトコ)の方など殺(バラ)しても構わんわ」 一度も眼を合わせずに伯爵はそう言った… 金貨(コイン)の詰まった袋が机(テーブル)叩いた… いつも人間(ひと)は何も知らない方が幸福(幸せ)だろうに けれど他人(ひと)を求める限り全てを知りたがる ──何故破滅へと歩み出す? 華やかな婚礼 幸せな花嫁 運命の女神はどんな脚本(シナリオ)を好むのか… 虚飾の婚礼 消えた花嫁 破滅の女神はどんな綻びも見逃さない… 嗚呼…燃えるように背中が熱い その男が伸ばした手の先には何かが刺さっていた 嗚呼…緋く染まった手を見つめながら 仮面の男は緩やかに崩れ落ちてゆく… 嗚呼…その背後には娘が立っていた 凄まじい形相で地に臥せた男を凝視していた 嗚呼…一歩後ずさり何か叫びながら 深まりゆく闇の彼方へと走り去ってゆく… ──徐々に薄れゆく意識の水底で 錆付いた鍵を掴もうと足掻き続ける 扉は目の前にある 急がなければ もうすぐ もうすぐ約束した娘の──
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第4幕 ―― 爆轟 眼下――濛々と立ち上る白/大きく形を崩す雪の大地/そこらじゅうのマゲイアたちが軒並み飲み込まれていく。 アルセナルの機体が雪に埋もれた/技仙の機体が転倒してゴロゴロ転がっていく/部下の〈Mg-33〉でさえ雪に飲まれた。 「ぎゃぁぁああ!」=コクピットに響き渡る悲鳴/思わず眉をしかめるフェオドラ「……5番か」サバシュ・クマールという個人名すら記憶に留めていないとばかりに一瞥=雪に飲まれた四本脚――次に姿を見せたかと思えば腕も脚もバラバラ=胴部だけを残したかと思えば小さな火球へ変貌――炎の赤も煙の黒もまとめて雪に塗り潰された/続けざまに信号=4番・8番を残し、さらにもう1機=合計2機の信号まで消滅。 自分が起こした雪崩に味方が巻き込まれ、残る味方がたった一機となり――尚、至極面白くなさそうに細められた瞼/ぼそりと一言「南部生まれ共は相変わらずだな」 『人は生まれながらにして無垢な白紙(タブラ=ラサ)である』=徐ろにコクピットに充満した低い声――フェオドラの乗るテウルギア〈フィローソフ〉に搭載されたレメゲトンの一言。 「白紙でいられるほど人間は白くない」――手袋に包まれた右手の人差し指が、右頬=横一文字に伸びる切傷痕をゆったりなぞる――浅黒い肌/生々しいピンク色の傷跡。 離れた右手を再び操縦桿へ/徐々に力が籠もる――「〈リリズム〉を呼べ」=淡白な命令。 『承った』 刹那=眼下に巻き起こる雪崩を取り囲む山々――その一つから雪とは別の白煙が噴出=灰色の空へ、真っ白な尾を引き連れた物体が飛翔=一見してミサイルの発射と酷似した光景……しかし白煙の動きが妙に遅い/敵ではなく〈フィローソフ〉の元へ肉薄――足元に突き刺さる/物体=細長い長方形が落下の衝撃で破砕=中身を露出――〈リリズム〉=異様に強引な運搬方法の空飛ぶコンテナ。 内部から出現した馬鹿げた長大さを誇る大砲=人間がすっぱり中に収まりそうな太さ・マゲイアである〈Mg-33〉よりも長い砲身・妙に膨らんだ後部――見るからに鈍重そうなそれを、事も無げに軽々と拾い上げる〈フィローソフ〉=脇に抱え持つ――白煙のみ映る画面=まだ何も見えない場所へ砲口を差し向けた。 フェオドラ=白煙の奥=雪崩をかき分けて猛進する熱源反応を一瞥/上唇を唾で潤す。 「さて海豚よ。お前の待ち望んでいた機会だ。たっぷり動かしてやる」 『ウラジミル・セルゲイェヴィチ・ソロヴィヨフである……熱源、二つが接近している』――フェオドラ以上に感情の起伏を見せない低い声=しかし明確に海豚呼ばわりされていることへの異議申し立て/だがどこか嬉しそうに状況を報告。 画面内――アイコンが出現=熱源を中心に輪郭線のみを描き出す――敵を狙いやすくするために組まれた射撃管制ソフトの発展系。 見えたシルエット=計二機――中空に浮揚し始めた一機/すでに他の脚部と腕部が消滅しつつ引っ張り上げられるもう一機。 「ほお」=瞳に灯る好奇心の光/口の端を吊り上げる――明るい笑顔=さながら新しい玩具を見つけた子供/嗜虐でなく残虐に歪んだ左頬=火傷痕に頬杖をつく「仲間を助けるか」 熱源の位置を確認=スラスターの燃焼炎がこちらを向いている=やや遠ざかりつつ・背中を見せていると判断――直後には白煙を突き破って表出……画面の表示枠と変わらない、アルセナルの二機。 「つくづく、見上げた精神だ」=見下していることを隠すつもりすら見せない鷹揚さ。 照準を改めた数瞬後……砲撃/轟く砲声=山々を駆け抜けてこだました/異様に太い後部から反動緩和のための圧縮空気が噴出=〈フィローソフ〉の周囲にあった積雪が全て一瞬に蒸発・消滅――たかが砲弾一発を撃っただけで周りを一掃する莫大な熱波。 それほどの斥力で射出された、榴弾=500mm=人と遜色ない巨大さ=大艦巨砲主義時代でも例の少ない大口径。 着弾/広がる爆炎/画面を覆い尽くす紅蓮の輝き/鼓膜だけでなく全身を揺さぶる衝撃波と化した爆発音/鋼鉄の塊である〈フィローソフ〉ですら吹き飛びかねない爆轟/生身だったなら骨まで消し炭になるだろう灼熱――度し難い爆発の広がりに、立ち籠めていた白煙すらもまとめて一掃。 その中心点に、僅かな黒煙を残すばかり――アルセナル社のマゲイア=破片すら直下に見当たらない=部品までも灰燼と帰した証左。 周囲に満ちた静寂=すでに収まった雪崩/未だ雪崩の動乱を引きずる機械の群れたち――自分たちの安全確保を最優先=もはや戦っている場合ではないと言わんばかり。 「やはりマゲイアならこの程度か……」先程まで浮かべていた笑顔――砲撃と共に消し飛んだ様子=再びつまらさそうな閉口。 直後……とあるものが視界へ入り込むのを確認――ちょうど真下=雪崩の行き止まり=〈フィローソフ〉が屹立する峰の下……雪中から立ち上がろうとする人型を視認。 再び釣り上がる口の端=覗く白い犬歯「流石は技仙(ミドリ)だ」=雪崩で破砕した部下〈Mg-33〉を躊躇なく罵倒/ウキウキ踊りだす心を隠しきれない子供のような笑み「〈リリズム〉を下に寄越せ」 深く屈んでからの〈フィローソフ〉による跳躍/蹴飛ばされて巻き上がる瓦礫――峰の頂点から直下の谷底=〈フィローソフ〉でも縦に三、四機分ほどにもなる高度/急勾配とはいえそう易易と渡れるはずのない距離を、軽々と落下。 座席から浮き上がる背中/ふわりと浮かぶ銀髪――しかしその中央で爛々と灯る笑顔だけは揺るがないまま――着地。 衝撃が再び大地を揺るがす/敷かれていた雪が舞い上がった――コクピット内に襲い来る落下の慣性=フェオドラの浮いていた体が座席へ叩き込まれる/頭が下へ引っ張られる=危うくコンソールに顔面を叩きつけかねない勢い。 直後に顔を上げるフェオドラ=依然絶えない笑み+混じり始める獰猛さ=落下と着地をスリルとでも判別していそうな狂喜。 〈フィローソフ〉=他の追随を許さぬ驚異的な馬力による力技――スラスターの噴出もなしに、単なる跳躍のみで崖下まで一気に飛び落ちて+即座に体勢を立て直す、化物じみた膂力。 すぐ眼前――技仙のマゲイア=起き上がる姿勢を整える真っ最中/あまりにも緩慢な動きに、フェオドラからは見えた。 ニイ、と更に開かれた口の笑み/獲物を前にした鋭い眼光=さながら虎視眈々と狙う雪豹。 再び飛来したコンテナ――眼前を通過する直前=伸ばした手に触れた先からボロボロに崩れる外装/内側から露出した長大な柄/もう片方の手で握り込む――もはや秒単位ですらないほどの数瞬=飛来しているコンテナが落下する前に、内容物を掴み上げるという瞬間的な曲芸。 しかし推進してきた勢いは相殺しきれず=片足を軸に回転――半回転したタイミングで一歩分遠ざかる/新たな得物を最大限に活かせる距離へ――もう半回転で振り絞る=脇を締めた腕/力強くひねってタメを作る腰。 馬鹿でかい円錐――持ち主=〈フィローソフ〉の全長を優に上回る巨大な馬上槍(ランス)。 ようやく立ち上がったばかりの敵の胴体ど真ん中へ刺突――回転の勢いを遠心力へ転換/〈フィローソフ〉が誇る馬力が外側へ引っ張られるはずの力を強引に前の一点へ矯正――最も分厚いはずの胸部装甲を軽々と貫通=機械の塊であるマゲイアへ見る見る侵入する円錐=内部の部品+機材+動力+人員がどうなっているかなど想像に難くない。 直後=〈フィローソフ〉の握る柄がポッキリと破断/円錐部分が敵のマゲイアに突き刺さったまま――かと思えば円錐の側面から噴射炎/突き刺された衝撃も相俟って軽々と宙に放物線を描く敵のマゲイア……数秒後には内側から煙と炎を吹き出しながら地面に叩きつけられる。 「これで二、いや三機か……海豚。次はどれが良い?」 画面内を睥睨――アルセナルのが一機/技仙のが一機/部下の4番・8番もどこかにいるだろうが眼中になし――どちらにせよマゲイアしか見えないとわかった途端=とろんと落ちる瞼「海豚よ。お前が思っているより、遊ぶ時間は少なく済みそうだ」 『案ずるな主よ』――変わらず感情の読み取れない機械的な音声/フェオドラに見る画面内に青いイルカが出現……背びれでレーダー部分を指し示す『また別の勢力が近づいている』 一瞥=瞬時に浮かぶ笑み――心底楽しそうな嗜虐の悦楽に浸るフェオドラ/対して本人の言葉は正反対「まさか長引くのか。困ったことだ」 意図的ではない=自分が笑っていることに気づかない……戦いを楽しんでいることに/敵を蹂躙することに/力を誇示することに――無自覚な喜びを味わっていることに気づかないまま、残念そうな語句を並べる/心底嬉しそうな語調で。 「ああ……思っているより長引きそうだ」
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息抜きに書いてみたヒデヨッシャァァ×女KGと竹中×女毛利ギスギス夫婦。 アホです。プチエロ含有。 今日もご飯がもの凄く不味い。 別に腐った材料とか料理人の腕が悪いとかそんな事じゃなかった。 隣のゴリラがやたらちっちゃく見える飯茶碗から、辛そうにちまちまご飯を食べている。 食事時だというのに、向かいで変態仮面とオクラの夫婦が流れるような嫌味の応酬を繰り広げ、もの凄く飯を不味くしているのだ。 まつ姉ちゃん。 美味しい食事ってのは料理の腕だけを言うんじゃないんだな。 俺、今頃解ったよ。 団欒とか、和やかさとか、そういうのも一緒に食べてたんだ。 利、俺、ここんちで悪戯する元気がねえよ。 まつ姉ちゃんの作ったメシが食べたいよ…… 隣のゴリラがゆっくりと箸を置く。 心なしかやつれている。 「おい秀吉、お代わりは?(気持ちはすげー解るけど)それじゃ体持たないだろ」 玄米ご飯一膳、味噌汁と少々の漬け物。一夜干しの鮎には箸さえ付けられていない。 「そうだよ秀吉。体調でも悪いのかい?」 変態仮面がやけにキラキラしながらお櫃を引き寄せる。 「今日は食が進まぬ」 対秀吉専用状態の半兵衛を退け、秀吉は腕を組んだ。 ちなみに昨日も一昨日も、一月ほど前から食が進んでいない。 「……腹、痛いのか?」 まつねえちゃーん、姉ちゃんのあったかいめし出してやってー、と心の奥で呼ぶが、前田家は遠い。 今はまつ姉ちゃんにほうきでしばかれながら『前田家の女が料理一つ出来なくてどうします』とか小言くらいまくってもいい。むしろ喜んで小言喰らいますからお願いまつ姉ちゃん、男女問わず恋を語るガチムチ美女で鳴らした俺も、もう限界なんだよまつ姉ちゃぁん…… この際あんまり頼りにならない利でもいいからちょっと来て助けて、あの全方向のほほん攻撃でこの嗜虐趣味夫婦のギスギスした空気中和してくれよぉぉ。 泣きそうな顔で問いかけると、秀吉は辛そうな顔でいや、と首を振った。 「やっぱり玄米より消化が良いお粥のがいいんじゃな…あれ、秀吉……」 秀吉が首を緩く振った拍子に、ふわんと落ちたもの。空中に漂ったそれをつまむと、 「抜け毛か」 つまんなそうにオクラな半兵衛の嫁が呟いた。 「……見せてご覧よ、慶次」 「ああ」 「気にするな半兵衛」 制止されたのは渡した後だった。 「この形、長さ……もみあげの毛だね」 「一目で言い当てるか、気色の悪い」 ああまたオクラが地雷を踏む。好きで踏んでるって解るけどな、でぇっきれえだコイツなんか。 「君の……」 またも始まりかけた舌戦を、 「止さぬか半兵衛」 意外に素早く秀吉が止める。いや、秀吉が止めなけりゃ誰も止められないのだが。 秀吉×女慶次&竹中×女毛利2
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10000mダンジョン 666番目のアリスをクリア後、本編のデータから挑むことができる。 作者の過去作 怪奇! ルサルカ彗星館“潜” をオマージュしたハック&スラッシュダンジョンになっている このダンジョンでしか手に入らない装備も多数存在する 中でも超超超低確率で出る装備 ラッコのコート は全耐性の最強装備 ■宝箱 木箱 消費アイテムが高確率で出る 装備も出るが確率は低め 赤宝箱 装備率が木箱よりは高い 敵ドロップ箱 敵を倒すと宝箱をドロップする 確率で宝箱を開けた後にさらに開けることができる このダブルアップの確率は青シンボル 黄シンボル 赤シンボルの順で高い 赤シンボルを倒した後の宝箱は運がよければ20連や30連することもできる ボス ■2000m アリス(歌) HP 150000 弱点 有効状態異常 耐性 攻撃 性能 メロディブラスト 打 ハートクラッシャー 固定2560ダメ/光/萌え ときめき爆弾魔 熱/爆弾 死神のバラード 死 雪の恋物語 冷/麻痺 離反「借刀殺人」 闇/混乱/暗闇 ダルクダイン フィロスフィード ■必要な耐性 熱、射、打、混乱、暗闇、転倒、萌 ■4000m アリス(呪) HP 150000 弱点 有効状態異常 耐性 攻撃 性能 呪いカウンター 人を呪わば穴二つ こけしアタック ベギルラルド ムルダイン 呪い 毎ターンMP5%のダメージ×状態数。 最大50%(呪い10) 全状態異常で回復でき、全状態異常無効装備で無効化できる。 ■必要な耐性 雷、斬、死、打、闇 斬、打の耐性を重視 斬耐性は100にしたい ミラージュ、アクアク写本+上着など ■6000m アリス(異形) HP 150000 弱点 有効状態異常 耐性 攻撃 性能 嗜虐的ふみふみ MPダメージ/闇/毒/出血/猛毒 心地いい痛み 混乱 いじわるな触手 無 天幻夢求 無 クリムステラ ベギルラルド ■必要な耐性 冷、光、打、混乱、萌 冷100を何人か 打撃を100にしたい ■10000m アリス(666) HP 150000 弱点 有効状態異常 耐性 攻撃 性能 明鏡止水 5000回復/攻撃+/魔法+ アリス・キー 無 ゼセス・ムー 雷 十二神相応 無 開明獣戯画 無/固定ダメージ5555 白澤戯画 無 月下天竜 無 虎眼黒天 防御-/精神- ■必要な耐性 雷 ■最奥 フェイトたん HP 200000 弱点 有効状態異常 耐性 攻撃 性能 プラトニックプルトニウムボム 熱 ハイド・アンド・シーク 光 ロジカルブラスト 射撃 ノーザンクロス 無/固定480ダメ ヤマアレシ・ジレンマ 固定500ダメージ ムルダイン 雷 フェイクルーイン 後攻攻撃/固定200ダメ クロニクルフェイト 時間停止 時間を戻す 時間停止解除 ■必要な耐性 射撃、光、熱 麻痺、石化、睡眠、萌え ロジカルブラストの威力がやばいので射100は必須 状態異常は全状態異常無効装備で補える
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傾城 基本情報 【本名】白面金毛九尾の狐 【収容棟】A棟 【罪状】傾国、殺人、殺人教唆、脱税、内通、詐欺、恐喝、監禁etc… 【身長】166cm 【体重】常にベストを維持 【3サイズ】傾城傾国に相応しく出るところは出て絞っているところは絞っている 【懲役】数千年 【外見】傾城傾国に相応しい顔立ち、銀の長髪、赤い目。本来は金髪+狐耳+九つの尾だが、力の封印にともない銀髪となり、完全な人の姿をとる。ただし、時々狐の耳と尾は復活する(尾は1本に限る) 【趣味】読書、観察、嗜虐趣味 【好きなもの】ネズミ(動物も、スパイも)、油揚げ、黄金色のもの、俗物、誠実な者、無垢な者、花 【嫌いなもの】清廉潔白な人物、性欲のない相手、取り入る隙がない同格以上の者、ゼロ(名指し) 概要 つよつよ囚人の一人にしてA棟の上流層側の一人。 仲良くなっておくと損はないが、基本尊大な側である。 でも、身内判定したら物をくれたりする。 来歴 妲己や玉藻前でよく知られる九尾の狐、その同族。 確かな手腕で裏の組織を作り、そこで娼館や闇金等を経営して成り上がった。 その後は一国の王の寵愛を受けて、王の権威を傘に暴虐の限りを尽くす。 が、軍事クーデターの際にクーデター部隊と傾城で戦闘が発生、彼女は力を封じられて十二次元刑務所送りになった。 スペック 現状はただ軽度の不死性を持ち、札を介して術を行使する。 また、鉄扇を護身用に持っている。 主な札 麻痺札 拘束用。一定時間張り付けた相手の体をしびれさせるという単純な代物。フィジカルの強い相手には通りにくい。 普段から持ち歩いている札の一つ。 属性は五行の木、八卦の雷 放水札 赤い虫騒動で使用。一定時間散水する。 普段は使うことがない。 属性は五行の水。 突風札 突風を起こす札。これで機動力を増したり、相手を飛ばしたりする。 普段から持ち歩いている札の一つ。 属性は五行の木、八卦の風。 回復札 万物を育てる力を転じさせ、身体の回復能力を高めて傷を癒す札。 普段から持ち歩いている札の一つ。 属性は五行の土、八卦の地。 火炎札 使用したことはない筈だが、一応持っている。 持ち歩くこともない札。火力はバーナー程度。 属性は言わずもがな五行の火。 山岳札 床や壁に貼ったりして、地面の壁を生やす札。 防御用。 属性は五行の土、八卦の山。 本来のスペック 本来は触媒なしで様々な術を行使する。言ってしまえば、膨大な妖力の裏返し。 主要な技 狐火 妖狐の基本技。傾城の場合は相手を焼く凶悪技と化している。